たまごブログ 別館
泣き虫忍者の日記帳(SicxLives ~Link&Link&Link~)
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焔の月 十四日目
――どうにも、不安感が拭えなかった。
一日経ったけれど、私を追う視線は消えなかった。
今こうして、森の中に居てさえも感じる。街中だけじゃない、どこに居ても見られているようだった。
一人で居る間ならともかく、三郎さんやシンシアさん、二人といても変わらない。
幸い、と言ってもいいのだろうか。危険な感じはやっぱりしない。
敵意らしいものは感じられないけれど、それがかえって、気持ち悪く感じられた。
嫌だな……。
どうにも、胸の辺りがざわざわとして、落ち着かない。
監視される事には慣れているけれど……、このままでは二人にまで迷惑をかけてしまいそうで、嫌だった。
相談するべきなんだろうか?
前を歩く、大きな背中を眺める。
いつも自信に溢れていて、力強い背中はとても頼もしく見えた。
頼ってもいい。と、思う。
二人とも、私を仲間だと思ってくれている。勿論、私も仲間だと思ってる。
だから、昔、先輩達に頼った事があるように、二人にも頼って、相談してもいいと思う。
けど。
……これは、私の問題だ。
二人には本当に、関係ない。
関係ない、なんて言ったら怒られるかもしれないけれど。
関係ないことなんか、ないのかもしれないけれど。
それでも、やっぱり相談する気には、なれなかった。
なんでだろう。
なぜか、人に頼ってはいけないような、そんな気がしたのだ。
もう少し、様子を見てみよう。
もう少し、自分だけでやってみよう。
そして、一人じゃ本当にどうしようもなくなったら。
その時は、私の仲間に頼ろう。
今はまだ、その時じゃない。
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